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KEFのQ350を買いました

  • 2017/05/16 15:28
  • カテゴリー:散財

 リビングのオーディオをデノンのDRA-N5からパイオニアのXC-HM86にしてから,音を出すのが楽しく,音楽との接し方も変わって来たことを昨日書きました。

 アンプ1つでこれだけ変わるというのも驚きですし,CM1というスピーカーがアンプによって良くも悪くなることを思い知った気がしますが,そうはいってもやっぱりニアフィールドに適したモニターであるCM1でリビングは少々しんどいなと思っていました。

 これはCM1がダメだという話とはむしろ真逆で,CM1がとても気に入って大好きなので,そろそろ私に返して欲しい,と言う意味です。2mくらいの間隔で目に前に置いたCM1から出てくる音を聞くと,ふっと目の前の光景が消えてなくなるような感覚を覚えます。CM1はこうでなくちゃ。

 そこで適材適所,CM1は返してもらい,代わりにリビング用にいいものはないかな,と探していたわけです。

 するとですね,連休明けの各ニュースサイトに,KEFの新しいスピーカーが出ていました。なになに?「価格破壊」ですか?

 日本のメーカーでも最近価格破壊などという話はしないものですが,英国の,それも定評あるスピーカーのメーカーが価格破壊なんていうのは,ちょっと物騒ではあります。

 見ていくと,第8世代のQシリーズという事です。以前から低価格で本気のオーディオと言うよりも,リビングのホームシアター向けという感じのシリーズだったように記憶しているのですが,とりあえず同軸2ウェイという最大の特徴をどう考えるかです。

 タンノイもそうですが,イギリスってのはなんで同軸2ウェイが好きなんでしょうね・・・

 個人的には,音像が周波数によって動いてしまうことがとても気になり,CM1でそこがきちんと管理されていることの良さを知ったこともあってか,原理的に点音源となり,周波数によって音源の位置が異なることがない同軸2ウェイにはとても興味がありました。

 特にKEFのUni-Qという同軸2ウェイユニットは位相管理もされているらしく,点音源から出てくるのと同等の位相特性を持っているんだそうです。これなら音像がスルスルと動いてしまうことは,ないんじゃないでしょうか。

 また,Qシリーズのうたい文句に,部屋中に音が広がると書かれた箇所がありました。リビングのどこで聞いても不自然にならないことと解釈してもいいんですが,どちらにしてもスピーカーのコンセプトとして,部屋のどこでもそれなりの音像に鳴ってくれることを意識されていることが重要でした。

 CM1のようなモニターは,最適なリスニングポジションが狭く,そこで聞けば素晴らしい音像が得られるかわりに,ポジションの変化による音像の劣化が大きいというものは,やっぱりリビングにはつらいわけです。

 これは,左右方向も前後方向もそうなのですが,上下の高さも結構大変で,目線にツイーターがくるように背筋を伸ばして浅く腰掛けて聞き始めたところ,疲れて深く座り直すと急に音像が変わってしまうため,あわててまた背筋を伸ばして座り直す,てなことが結構苦痛だったのです。

 これでは音楽を聴くのに,疲れてしまいます。

 さて,そのリビングに適したような印象を持った新しいQシリーズのうち,ブックシェルフはQ150とQ350の2種類です。前者は小型,後者は大型です。CM1の時は,その大きさも魅力でしたが,やはり離れて聞くと低音不足が気になりました。後にCM5が出た時に,低音のゆとりをとても羨ましくなったことを思い出し,ここはQ350でいこうと決めました。

 価格差は1万円ほど。これだったら置き場所が許せばQ350です。スピーカーは最終的に空気に振動を与えるものですので,どうしたって物理的な制約が強くて,大きいものが正義となります。

 で,価格破壊といっちゃうくらいですから,価格も期待したいところです。ペアで税抜き68000円が標準価格ですが,私が見積もりをお願いしたお店では税込み送料込みで58700円でした。もっと安い店もあるでしょうが,在庫があってこの値段ですから,ここで決めました。

 さあ,こんなに簡単に決めていいんでしょうか・・・いいんです。自分を信じろ。

 しかし考えてみると,1本3万円未満です。CM1でも安いなあと思っていた(というかこれこそ価格破壊といってよい)んですが,この値段だとそれこそ国産のローエンドです。これで妥協のない音がするはずないですわね・・・

 ワシが若いころはの,1本6万円が激戦区での,ダイヤトーンのDS-77やらオンキョーのD-77やら,価格以上の物量を投入した出血大サービスモデルが覇を競っておったものじゃ。今D-77なぞ作ったら,1本20万円にもなるんじゃなかろうかのう・・・

 そんな話はどうでもいいんですが,ペアで6万円とバブル期の国産品の半額で買えるスピーカーとはいえ,そこは英国KEFの作品です。そう,憧れのKEFなのです。

 私が憧れたスピーカーのブランドというのが,米国JBL,英国B&W,英国KEF,そして英国タンノイです。タンノイは別格なので一生縁がないとして,JBLは昨今の脱線気味にほぼ興味を失い,事実4312Mでの手の抜き方に幻滅しました。

 B&WはCM1で満足しましたし,KEFは使ってみたいメーカーだよなあと思っていた所で,このQ350です。安いモデルで自慢にもなりませんが,私にとってはいよいよ憧れのKEF,なのです。

 KEFといっても知らない人が多いかも知れません。その昔,英国BBCが規定したモニタースピーカー「LS3/5A」を製造するメーカーとして知られた名門です。1000万円を超える超高級モデルも持っているメーカーで,あまり安いモデルは出ていないものだと思っていたら,廉価版のQシリーズは以前から定評があるとのこと,私も不勉強でした。縁遠いメーカーだと思ってましたもので・・・

 いや,もうこの盛り上がりは止められません。

 5月初旬に全世界一斉発売で,ボツボツ展示が出始めたQ350が我が家に届いたのが先週金曜日の夜です。なんの偶然か誕生日の前日という事で,なんとうれしい誕生日プレゼントfor meとなりました。

 ということで,早速CM1と入れ替えることにします。

(1)外観

 私が買ったのはブラックなのですが,正直にいうと,そんなに高級感はありません。ぱっと見れば,素人の自作スピーカーの上手に作ったやつ,くらいに見えたりします。そこはさすがにCM1は素晴らしく,見た目も高そうです。Q350の残念なところは,外観かも知れません。

 ど真ん中にいるスピーカーユニットも,ちょっと違和感があります。我々の目にはウーファーが下に位置しているのが自然に見えるので,この真ん中にドドンと居座るスピーカーは,どうも自作スピーカーっぽく見えてしまいます。

 これでサランネット(グリル)でもあればいいんですが,残念な事に別売りです。1つ2000円ほどですから,同梱して欲しかったなあと思います。

 とはいえ,そこはさすがに名門KEFです。しっかりと精度良く作られています。手で触り,しっかり抱きかかえたときに,ただポンポンというだけではなく,まさに楽器の胴体の如く,しっかりとした音が響くあたり,スピーカーのあるべき姿を垣間見せてくれます。

 個人的経験から,スピーカーは奥行きがないとダメというのがあり,Q350も随分ズドーンと奥行きがあります。そこに綺麗な形状のポートがあり,ここに声を入れると,本当にQ350がしゃべっているような感じになります。いいですねえ。

 端子は廉価版ということもあり,バナナプラグ対応のターミナルが1つだけです。低域と高域で分かれてはいません。バイワイアリングは出来ません。残念。

 大きさですが,分かっていたことではありますが,CM1からの置き換えではかなり大きくなります。私としては許せるレベルですが,他の家族としてはかなり熱燗を感じるんじゃないでしょうか。

 で,ユニットの形というか,デザインというか,これがどうも気持ち悪いんです。好みの問題もあると思いますが,まずエッジにポツポツとある突起。そして中央のツイーターの形状。中央部はツイーターの保護のためだと思いますが,放射状に柵のようなものが出ていて,まるで種がはぜる直前の,花の実か何かに見えます。

 自作スピーカーとの違いを悟るのは,おでこに付いたメーカーのオーナメントです。これもまあ,たいしたことないというか,毒にも薬にもならんというか・・・

 CM1との比較は意味がないと思いますが,高級感や凝縮感は劣ると思いますし,ユニットのデザインもよいとは思えません。見た目はバランスや高級感でCM1の圧勝です。


(2)設置

 セッティングですが,割と胴鳴りがしないので,設置面から大きく浮かせることはしないでおこうと思いました。CM1では4cmくらいの立方体のウッドブロックを足にしましたが,Q350でやってみるとちょっと腰高な音になってしまったので,高さ1,5cmくらいの黒檀の三角柱の頂点を設置面側にして,3点支持をしてみました。

 それなりに重量のあるスピーカーなので,しっかり設置できたのですが,音もしっかり座るようになり,これで決定です。

 本当は壁から離さないといけないのですが,設置上の制約でそうも行きません。ポートに差し込むスポンジも迷いましたが,音を聞いてみて,スポンジを使わずにそのままにすることに決めました。

 ところで,Q350から50cmほど離れたところでたまたましゃべったのですが,Q350から私の声がするので驚いてはっとしたことがありました。私の声に共振して,Q350から音が出ていたんですね。

 CM1も含め,こういう経験はしたことがなかったので,スピーカーってのは本当に音響製品なんだなあと改めて思った次第です。



(3)音

 さていよいよ音です。

 レンジについては文句なしです。やや低音がポンポンいいますが,これは壁が近いことも影響していると思います。それでも200Hzあたりがポンポン言う感じではなく,腰の位置も低く,音が飛び回っている印象もありません。

 高域も欲張らず,しかし自然の伸びていて,どの帯域も気持ちよく聞かせてくれます。耳障りな音も聞こえてこないので,きっと高域の歪みが少ないのでしょう。

 音像の定位ですが,これは本当に素晴らしいです。CM1では本当に真ん中に座らないといけなかったのが,Q350では大体真ん中で十分ですし,少々動いてもきちんと定位します。

 楽器によって,あるいは音程によって音像が動くことも本当になく,特にライブハウスくらいの小さな箱でのライブなどは,拍手ですらぴたっと止まり,その臨場感に目の前に見えているいつものリビングがふっと消えてしまうくらいです。

 音量も十分で,そのリニアリティも良いようです。音量の変化ぬ無理がなく,ついつい音を大きくしてしまいがちなのですが,これってスタックスでも経験しています。

 全体の印象としては,鋭角的な解像度を持っている訳ではありませんが,薄っぺらいきりきりとした音ではなく,豊かな奥行きと表情を持つ,自然で素直な音が出てきています。

 その音は緊張感よりはリラックスですし,解像度よりは表情の豊かさです。しかしレンジの広さも透明感もあり,空間の再現能力が素晴らしいです。イントロが終わり,ボーカルが出た瞬間のゾクゾクは,Q350ならではと思います。

 期待した上下方向の位置の許容度ですが,CM1にくらべて随分寛容になったのは事実です。姿勢もリラックス出来たこともあってか,Kind of blueで心地よくウトウトしたのなんて,久々でした。CM1で居眠りをしたことって,そういえばなかったです。

 低音も豊かに伸びて出てきます。いやはや,立派に鳴っていると思います。人によるとは思いますが,このくらいの豊かさがあれば,オーケストラも楽しんで聴けるんではないでしょうか。


(4)ここが気に入らない

 やっぱり外観です。高級感がなく,繰り返しになりますが自作スピーカーっぽいのは,リビングにはちょっと寂しいです。

 なのに,グリルが別売りというのもいけません。ちゃんとしたグリルがあれば自作っぽく見えないのではないかと思うのですが,ペアで3000円や4000円価格が上がってもいいので,同梱して欲しかったなあと思います。

 あと端子です。Y型の圧着端子がうまく差し込めない太さも悔しいし,バイワイアリング出来ないのも残念ですが,まあ基本性能に関係ないし,見えないところだから許しましょう。

 まあ気に入らないといっても,この程度です。


(5)まとめ

 これが2本で6万円ですか・・・CM1でもびびりましたが,Q350ではもっとびびりました。こんなにいいものが買えるんですねえ。XC-HM86と組み合わせても,10万円ですよ。

 繰り返しますが高級感はないので,そこにこだわる人はダメだと思いますが,音は間違いなく素晴らしく,かつリビングに置いても立派にみんなを満腹にするだけの能力を持っています。

 ある特定の位置の人だけを満足させるのではなく,そこにいる人をみんな満足にするというQ350の性格は,まさに私が求めていたものです。聴く側にも集中力が必要な極端な解像度はないですが,臨場感と自然なレンジの広さを持ち,音そのものと言うよりも空間を組み立てることに,能力を割り当てているという気がします。

 もちろん,細かい音も聞こえますし,とても繊細な表現力も持っていますが,それらが目立つことなく,様々な音を調和して空間再現の「材料」になっていることが,Q350のよさです。

 こういう,リラックスしたスピーカーは私は初めてでしたし,これまでは避けてきたので,新しい発見をしました。

 これまで聞き慣れた音楽を散々聴きまくりましたが,どれも好印象です。ちゃんと聞くならヘッドホンで,と思い続けてきましたが,Q350ならリラックスして,ちゃんと聞くことができそうです。

 そしてなにより,肩の力を抜いて,音楽を楽しむことが出来るのが素晴らしいです。音と向かい合うと言うより,音に包まれるという感じが,CM1とは違うなあと思います。
 
 Q350は,このサイズが許されるなら,間違いなく満足出来るスピーカーだと思います。この値段なら売れるだろうなあ・・・


(6)余談

 CM1は自分の小さい部屋に戻しました。よくマッチしているアンプに繋いでならしましたが,やっぱりいい音します。安心しました。


(7)余談2

 グリルがないままいこうかと思いましたが,5歳の娘がものを投げたり,振り回したりする度に「あーー」と声を上げてやめるようになだめるにももういい加減疲れました。娘も「ええかげんにせえよ」という顔をしているので,グリルを付けることにしました。

 まだ出始めという事もあり,見積もりを取ると1つで4000円と回答してきた店もあったのですが,正しくは2つで4000円らしく。これなら自作しないほうがいいということで,注文しました。

 自作するのも良かったかなあ。

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