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D850は最後の最強モデルになるのか

 以前から噂が出ており,半ば確定路線とも言えたD800系列の最新モデル,D850が昨日正式に発表になりました。

 開発そのものは7月末に発表になっていましたが,詳細スペックや発売日,価格などが出てきたのが昨日です。

 スペックは事前の噂通りだったのでそんなに驚くことはなかったのですが,驚いたのは発売日と価格です。発売日は9月8日とわずか2週間後ですし,価格はカメラ店での一発目価格が税込み約36万円です。

 いやなに,36万円は高いです。D800の価格が27万円くらいで始まり,D810が現在20万円前半で買えることを考えると,同じシリーズの後継機種が36万円は,やはり実質値上げだと,私などは思っています。

 しかし,世の中,安すぎる,ニコンは商売が下手,バーゲンプライスだと絶賛の嵐です。

 正直に言って,ここまで褒める気は私にはないのですが,安いという意見には私も同意します。理由は2つ。1つはD850はD800系列の最新モデルというよりもむしろ,D5の高画素機とも言える内容になっていることです。

 登場時に皆腰を抜かしたD5のAFシステムと同じAFを搭載し,連写速度も最大で9コマ/秒,シャッター耐久20万回のプロ仕様です。

 中級機種には必須であるストロボをあえて内蔵せず,小型ストロボが便利にならないプロを意識し,その代わりに見やすい光学ファインダーにこだわるという姿勢は,間違いなくD800やD810とは別のユーザーを取りこもうとしています。

 思えば,D800も一眼レフのその後の方向性を決定付けた記念碑的モデルでした。いきなりジャンプアップした3600万画素にD4から移植されたAF,しかし20万円台の価格と,その後の高画素モデルのあり方を決めたと言ってもいいと思います。

 その後,ライバルのESO5Dシリーズの価格が,性能アップと共に一気に上がり,40万円を越えるようになってしまい,完全にプロに軸足を置くようになりました。ニコンもこれに追従するのではないかと思っていたのですが,D810についていえば,それはなかったと言えます。

 でも,D850の噂が聞こえてそのスペックがわかってくると,これはもプロを相手にしたカメラだな,きっとD800系が担っていたハイアマチュアは,もう1ランクしたのカメラをあてがうつもりだなと,そんな風に感じてしまい,自分の世界から外に追い出していたのでした。

 そこへ,昨日の発表です。

 36万円なら,なんとかなるんじゃないか・・・今なら発売日に手に入る・・・とりあえず予約だけはしておこう・・・

 気が付いたら,D800を買ったカメラ屋さんに,電話で予約を済ませていました。

 D800を購入したのが2012年の6月頃。あっという間に大きくなるこの時期の子供を,可能な限りの高画質で残しておきたいと,思い切って買ったものでしたが,5年を経過した現在においても,D800の画素数や画質には不満はありません。むしろ手に馴染み,クセも分かったD800は,買い換える理由を見つけられません。

 しかし,D800に対する不満や,我慢をしていることがないわけではなく,それはやはり連写速度とAFの性能,そして高感度性能でした。

 D2Hと併用すれば,大昔の失敗機のシャッターの機敏さと心地よさにD800が色褪せて見えます。単純な連写枚数ではなく,高速連写を実現するために鍛えた筋肉と骨格が持つ,ゆとりと軽快感が欲しいのです。

 AFも当時は最高性能であり,今も十分なものを持っていますが,さすがに撮影や構図に集中出来るかといえばそれは難しいです。

 そして高感度性能。ノイズがの多い少ないなんてのはもう昔の議論であり,ノイズが気にならない範囲での,発色の良さとダイナミックレンジの広さがどれくらい維持されるかが重要です。D800は,ISO800くらいが劣化のない範囲であり,ISO3200は限界ギリギリでした。

 それらが,一気に解決します。約4600万画素という強烈な画素数で最大9コマ/秒です。ブレを押さえるためのシャッターカウンターバランサーの搭載まで搭載し,強靱なバネとしなやかさを兼ね備えた,まるでバレエダンサーのようなメカに,おそらく私の脳みそはアドレナリンをドパドパ出す事でしょう。

 ソニーが撮像素子の歴史を塗り替え,人類が後世に残す画像に新しい基準を作った裏面照射CMOSセンサは高感度と高速性を両立し,これもおそらく高感度時の画質を高い次元で維持していることでしょう。

 また,これまで撮影サイズで変化していた連写速度が,フルサイズでもAPS-Cでも変化しないことにも注目です。もはや,連写速度は,画像データの転送速度によって制約されるのではないと言うことなのです。

 AFはD5からの移植ですが,測距点をただ増やしても面倒なだけ,しかし増やした測距点をデータ収集拠点と考えたニコンは本当に偉いです。複数の測距点をまとめて,AF性能を高めると言う発想は強烈です。

 AEも,一点の明るさ,多点の明るさ,やがて色まで判断するようになりましたが,すでに初期のテレビカメラと同じ画素数をもつ18万画素のAEセンサは,とうとう画像そのものを判断するようになりました。

 これに加えて,私は冷静に,もしかすると,ニコンの長い歴史の中で,ミラーボックスを持ついわゆる「一眼レフレックス」が,このモデルで終焉を迎えるのではないかと,そんな風に思っています。

 すでにデジタルカメラになることで,光学ファインダーが必須ではなくなっています。電気的に解決しないといけない問題が多く,俗に言うミラーレスカメラがまだまだ光学ファインダーを持つカメラに追いつかなかったのですが,それももう昔の話です。

 一般撮影に限って言えばすでに光学ファインダーでなくても構わないくらいに電子ファインダーの性能は改善されており,一方で電子ファインダーのもつ素晴らしいメリットが,カメラをより魅力的なものにしています。

 ニコンも本格的なミラーレスの開発を宣言しており,フィルムカメラをデジカルカメラが置き換わったように,実は一眼レフがミラーレスに置き換わることの真実味を,ニコンがイメージし始めたのではないかと思うのです。

 そんな矢先に出たD850を見ていると,出し惜しみ無しで,今一眼レフに搭載出来るものをすべて盛り込んだものと,私には見えます。それはまるで,F5に対するF100のようです。

 そう考えると,D850は,価格と性能という単純な軸のみで考えるべきではなく,私が長く親しんできた一眼レフの1つの頂点であると見えてきます。

 単なる記念碑的モデルではなく,実用モデル,あるいは戦闘用モデルとしての最強一眼レフは,もしかするとD850で終わりになるのかも,知れません。

 なら,やはり欲しい。

 9月8日が,とても楽しみです。



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