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秒間9コマのために

 半年もすれば高価なバッテリグリップ「MB-D18」も少しは値下がりするだろうと,年明けくらいに買おうかと思っていたのですが,やっぱり長玉を縦位置で使う時には脇を締めないと落ち着かず,結局在庫が復活した購入の翌日に買うことになったのは,先日書いた通りです。

 繰り返しますが,電池ケースにボタンがいくつか付いただけのものが実売で5万円ですから,普通は理解出来ない値段と思います。今でも思いますが,やっぱり高いです。

 ここだけの話,非純正品(悪く言えばコピー品)が出てくれば1万円以内で買えるようになるわけで,たまにしか使わないならこれでもいいかなあと思っていました。(それに,コピー品と言えば聞こえは悪いですが,純正よりも持ちやすかったり,ボタンが多かったりすれば,それはもうコピー品ではなく,上位互換品です)

 しかし,いつも装着している状態で使うわけで,本体と同じ信頼性や剛性感を持っていて欲しいと思いますし,そもそも互換品が出てくるまで待っていられないということで,結局純正品をさっさと買ったのですが,値段のことはさておき,買って満足,期待通りのものでした。

 やっぱり,縦位置の時に脇が開かないのはいいですよ,レンズを中心にクルクルまわして縦と横を持ち替えることも長年のクセで染みついていますし,大きさと重さをスポイルしてもこのオプションは必要だったと思います。

 ところで,D800の時には単三電池を使うと連射速度も向上したのですが,D850ではそうもいかず,連射速度を最速の秒間9コマにするには,EN-EL18というD4やD5用の電池を使うしかありません。

 いわく,高速の連写には大きな駆動力が必要で,そのためには高電圧が必要なのだそうです。標準のEN-EL15は2セルで7.2V,EN-EL18は3セルで10.8Vです。

 ちなみに単三8本だとニッケル水素なら9.6Vですので,EN-EL15とEN-EL18の間になりますから,本当なら秒間8コマくらいになってくれてもいいんですけど,電圧の下がり方の問題もあり,出来ないと判断したのでしょう。

 ですから,せっかく高価なMB-D18を生かすのに,安価な単三電池で機能アップしないのは残念至極,秒間9コマにするには,2万円の電池と4万円の充電器がさらに必要になります。

 考えて見て下さい,バッテリグリップと電池と電池フタと充電器で10万円です。本体が40万円ですから,秒間9コマにするなら合計50万円です。これって,ちょっと前のプロ機の金額そのものです。厳しい。D5が50万円後半になっていますから,そっちを買った方が幸せになれるんじゃないかと思ったり・・・(いやいや,そもそも50万円が非常識な金額であることに気が付かないといけませんよ)

 そこで,少し考えて見ました。

 秒間9コマに必要なものは,MB-D18に電池フタBL-5,そしてEN-EL18bという電池と,充電器MH-26aです。

 MB-D18は買いましたし,BL-5は2000円ほどなので大したことはない,問題は充電器と電池なのですが,電池は互換品か中古品で済めば1万円以内,充電器は・・・なんとかD2Hに付属していたものを使えないかと考えました。

 D2HはEN-EL4という電池です。外形はほとんど同じなのですが,電池端子の位置が左右逆になっているのと,ガイドキーが異なっているので,物理的に装着出来なくなっています。

 ただ,調べたところでは,電池端子は6ピンでピッチも配列も同じ,つまり位置が異なっているだけだということです。

 というのは,充電器のMH-26aには,EN-EL4を充電するためのアダプタが存在していて,これがどうもコネクタの位置を変えるだけのもので,配列を入れ替えるとか,なにか別の電子部品を挟むなど,特別な事はなにもないんだという話を,事前に聞いていたのです。

 ただ,バッテリの充放電特性は異なりますし,完全に良い状態で充電出来るとは思っていません。あくまで間に合わせということです。でも,試してみたいじゃないですか。

 次に,EN-EL18です。EN-EL18には無印とaとbの3つがあります。EN-EL18はD4やD800が出た頃の製品ですので2012年生まれ,すでに5年が経過している古い製品でもあります。

 今回,開封済みだけど一度も使用していない新品を見つけたので,買ってみました。5000円ほど安いだけだったのですが,怖いもの見たさでポチってしまいました。

 届いた電池を見れば,確かに未使用品です。傷一つありません。しかしカメラに装着してもまったく動作せず,認識もしません。充電もすぐに異常を検出して充電が止まります。

 これはおかしい。

 電池の電圧を調べると全く出てきません。充電を強制的に行って見ても,電流が流れません。

 おそらくですが,過放電により内部のスイッチが切れているんだと思います。こうなると,もう普通は手出しできません。裏技で内部のスイッチをONにする方法がないわけではありませんが,過放電を本当に起こしているのであれば,ここで充電を行うと爆発や発火などの事故が起きそうです。やめときましょう。

 そもそも製造から5年も経っている電池が,途中で一度も充電されずにおかれていて,過放電になっていない訳がありません。これはハズレだったということです。

 残念ですが返品の手続きを取り,代わりにヨドバシで新品を買いました。高いとは言え5000円ほど高いだけですし,ポイントを突っ込んだので,1万円くらいで買えたからよしとします。

 到着してカメラに取り付けると,ちゃんと認識しています。ただし残量は僅か7%でした。試しに連写もしてみましたが,秒間9コマに放心し,私の目は無限遠を見ておりました。

 さらに,MH-21のコネクタを取り付けて充電を行ってみたのですが,これは残念ながら,すべてのLEDが点滅して充電できませんでした。

 想像すると,MH-21が電池と通信し,返事が来ないものには充電を開始しないようになっているのだろうと思います。

 さあ困った。うちには3セル充電出来る充電器がこれ以外にありません。

 そこで,禁じ手なのですが,充電電流だけEN-EL18bに流し,後の端子はEN-EL4に繋ぐということで,MH-21を騙してみることにしました。この結果充電がスタートし,30分で9.6Vから11Vまで電圧が上昇しました。

 D850に装着してステータスを確認すると,7%から37%に容量が増えています。これで当座はなんとかなりそうです。

 気になるのは,MH-21の充電LEDが,ずっと90%のところで点滅していることです。本来は10%以下であり,50%を越える事がなかったわけですから,こんなところで点滅しているのはおかしいです。

 EN-EL4の残量が90%だったので,どうも残量は電池内蔵のマイコンと通信をして得ているようです。このあたりはもう少し検討してみます。

 とりあえず,充電出来る目処は立ちました。

 翌日,さらに充電を続けて,CC充電からCV充電に切り替わるかどうか,そして満充電を検出し自動的に充電が終了するかどうかを確認してみました。

 前日手を抜いた電流計もきちんとつなぎ,電流と電池の電圧を見ながら充電を進めます。電池電圧は10.8V程度で,ここから充電を開始すると予想度落ち1.2Aの充電電流が流れています。

 順調に電池電圧が上昇し,充電開始から1時間ほど経過して12.6V付近になった頃,電流が減り始めました。CC充電からCV充電に切り替わっています。また,12.6Vで切り替わったという事は,セルあたり4.2Vを終始電圧としていることも分かりました。

 実は,この終始電圧というのがミソで,4.3Vだと目一杯充電出来る代わりに電池の劣化が進み充放電の回数が減ってしまいますし,4.1Vだと電池の劣化が抑えられる代わりに,目一杯の充電が出来ず動作時間が短くなってしまいます。

 また,電池の素材や特性によって終始電圧の設定は変わってくる場合があり,4.2Vの電池に対し4.3Vの充電器を使ったら,簡単に電池が劣化してしまいます。

 4.2Vというのは,そういう意味では非常に無難な標準的な電圧と言えて,MH-21がこの電圧になっていることが分かってほっとしました。

 さらに充電を進めると,順調に電流が減っていきます。電流が減ると電流計での電圧降下も減るので,ちょっとずつ電池電圧もあがっていきますが,それでもほとんどかわりません。

 そして200mAを割ったときに,とうとう電流がゼロになり,充電が終了しました。充電開始から2時間15分経過していましたので,昨日の30分と合計しトータルで165分です。充電中のLEDは点滅をやめ,充電終了を示す点灯になっていました。

 EN-EL18は2500mAということですので,1200mAで定電流充電すれば約2時間で充電が終わりますが,CVモードになってからは時間がかかるものなので,160分ほどという結果は,うまい具合に充電が出来たと考えて良いでしょう。

 満充電になったというEN-EL18をD850に取り付けて電池のステータスを確認したところ,劣化もなく,容量も98%となっていました。100%でないことも気になりましたし,撮影枚数が1枚になっていたことも気になったのですが,ここは充電後にリセットされる数字なので,正しくリセットされたことをもっとはっきり確認しなければなりません。

 ということで,不安がないわけではありませんが,MH-21は1.2AのCC充電と,12.6VのCV充電を切り替える充電器であり,MB-D18もきちんと充電出来ることがわかりました。ただし,電池の温度は全く伝えてはいませんし,電池のステータスも偽情報ですので,どんな事故が起こるかわかりません。危険なので他の方はこんな方法を使わないようにお願いします。


 てなわけで,満充電になった電池で,秒間9コマを味わってみました。

 本体に内蔵した標準のEN-EL15bと,MD-B18に内蔵したEN-EL18bをメニューから切り替えて,動作の違いを見てみます。


 まず,秒間7コマと秒間9コマでは,もはや別のカメラと思うほどの感触の差があります。動作速度全体が上がり,音も大きくなります。ミラーショックが大きくなっているのには私も驚きました。

 秒間7コマの気持ちで構えていると,そのショックの大きさにびっくりしますし,当然ブレも出てくるのではないかと思います。秒間7個までも十分な場合も多いですし,音の大きさとミラーショックから,普段はEN-LN15出使うのが良さそうです。

 そして秒間9コマはやっぱり強烈で,やっぱり脳内麻薬が出てきますね。前述の通り動作速度が全体的に上がってとても機敏になりますし,駆動力も上がってぐいぐい動きます。この力強さは手に伝わって来ますし,キレも良くなります。

 力強い駆動力にそれを支える骨格,高精度なAFシステムにシャッター速度を上げられる高感度特性を持ち,高速連写に耐えうるハードウェアを持ちながら,4500万画素というトリミングも楽々こなす画素数を実現したD850は,確かにどんなシーンにも活躍し,まさに撮影領域を大きく拡大するカメラだと思います。


 ・・・しかし考えて見ると,安く済んだのは充電器を買わずに済んだと言うだけの話で,他の3つはすべてヨドバシで買ってしまいました。ヨドバシも昔は安かったんですが,今はポイントを差し引いたら他の店と同じ,という程度の割引になっているので,もうすっかりポイント無間地獄です。(ヨドバシのポイントは他の店では使えないので,結局ヨドバシで買うことになる)

 こういうことなら,最初からD850の購入予算に入れておけば良かったと後悔しているのですが,問題はこの大げさなシステムを,どこに担ぎ出すのかという話です。今の私には,秒間9コマだと,1回のレリーズで3枚ほど撮影出来てしまうくらいなので,明らかに体が慣れていません。

 こうなったら,もっとD850を触って,体を慣らしていくしかありません。


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