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XC-HM86の修理~その2

 なかなか便利で使い勝手も良く,音質も満足しているパイオニアのXC-HM86ですが,CDのトレイが出てこなくなり,修理を依頼したところ,傷だらけになって戻ってきたという話を先日書きました。

 この話の顛末です。

 戻ってきたXC-HM86は,まず油や指紋でベタベタに汚れており,触る気が失せました。渋々拭き取って改めて見てみると,その前面パネルに1cmほどの大きなキズがある事に気が付きました。

 自分がつけたキズの可能性を考えましたが,こんなに目立つところに自分でキズを付けた記憶はないし,キズが付いていたという記憶もありません。家族もそういっています。

 輸送中のキズについても考えましたが,こういうことを避けるために,わざわざ全面を段ボールで覆って発送しましたから,それもちょっと考えにくいです。

 おかしいなと思ってあちこち注意をしてみると,あるわあるわ,小さなキズがあちこちにあります。

 前面パネルの1cmのキズを筆頭に,角をぶつけた箇所が2つ,ボリュームツマミに打ちキズ,,上面の操作ボタンにも打ちキズ,ディスプレイに縦方向の擦りキズ,背面にひっかき傷と,全部で20ヶ所ほどありました。

 それだけならいいんですが,さらによく見ると,ACコードのストッパー(ほら,ACコードの根元についている,抜けどめがあるでしょ,あれです)の一部が,被せた上ケースの内側に入り込んでいます。このことで背面パネルは内側に湾曲しています。

 うわ,これは安全上の不安もあるな・・・

 さらによく見ると,基板を交換したときのネジの締め方が強いようで,パネルが歪んでいました。これはひどい。

 ということで,パネルのキズで相当がっくりしていた私は,再修理をしてもらっても駄目だろうという気持ちになってきました。

 キズだけなら,再修理で構いません。むろん,どっちがつけたキズなのかで揉める可能性はありますが,購入してからまだ半年も経っていないものとは思えない傷の付きっぷりから,私ではないと認めてもらえると思います。

 しかし,ACコードの問題は,私が中をあけてみることが出来ないものである以上,ずっと不安を抱えて使い続けるのはかなりしんどいものがあります。

 ネジの締め方による歪みもそうですし,そもそも汚れた手でベトベトに人の持ち物を汚しておいて,そのまま返してくるような人が再修理をしたとしても,気持ちよく,不安なく使い続けることはもはや不可能だと,一晩考えて思ったのです。

 これは,とりあえず新品への交換を希望しよう。ダメモトだけど,こちらの気持ちは伝えよう,その上で,一流の担当者に丁寧な修理をしてもらおう,とそんな風に思って先方と相談しました。

 終始紳士的な対応をして下さったその担当者は,とりあえず現物を見るまでなんとも言えないので,まずは送り返して欲しいといってきました。とても丁寧な方でしたが,私を疑うようなことも,出来るとも出来ないともいわず,とにかく見てから判断したいと安請け合いすることも逆に突っぱねることもしませんでした。

 これも,先方にすれば安易に約束をせずに冷静に判断するために必要な時間で,怒っているだろう相手の頭を冷やしてもらう時間を稼ぐ意味でも,悪い言い方をすれば時間稼ぎとも言える,とても賢い作戦だと思うのですが,同時に私にとってもメリットがあります。

 出来る事は出来る,出来ない事は出来ないときちんという姿勢は,とてもよいことです。

 すぐに返送の宅急便を手配してくれました。送ったのが先週の土曜日でしたが,水曜日に経過を確認するために電話をし,週末までにという返事をもらった後,木曜日の夕方にもらった電話の折り返しを,金曜日の朝にしました。

 すると,新しいものへの交換品が手に入ったので,今日送りますというお返事です。交渉した方とは別の人と話をしましたが,平謝りでした。

 私は私で,無理を言ってすまなかったとお礼を言って,翌日無事に新しいものを受け取ったのです。

 新品ですからなにも問題はありません。

 品薄の中ようやく届いた以前の機械には愛着があり,さみしい思いがするのは事実ですが,やっぱり気分の問題もありますし,こうして私の所に来たのもまた何かの縁です。大事に使っていこうと思います。

 こういう場合,双方の意見が食い違って揉めることが多く,私も覚悟はしていました。それは立場の違いからくるものですし,相手にも出来る事と出来ない事があるわけで,特に厳しいオーディオ業界なら当然のことと思います。

 考えてみると,修理を受けて返すだけでも何万円もかかっています。保証期間内だから私は1円も支払っていませんが,それが最終的に全部無駄になり,あげく新品に交換されたわけですから,手続き上は私の持ち物を買い取り,新しいものを提供したことになるわけで,それはもう大変な金額になるはずです。

 XC-HM86はそもそも高価なものではなく,実売も安いですから,これ1台で稼げる利益も少ないでしょう。今回の私の対応にかかったお金を取り戻すだけで,一体何台のXC-HM86を売らねばならないのかと考えると,私も悪いことをしたなあと思うのです。

 でも,ここで思うのは,そもそも保証期間内に壊れてしまったことがすべての始まりです。壊れた原因はICの不良でした。数円程度のICだと思いますが,これが半年で駄目になったことで,これだけ大きな話になったことを,よく考えて欲しいと思うのです。

 販売店は在庫が,メーカーは品質が業績の足を大きく引っ張ります。それだけ大きな負担になると言うことですが,裏を返すとこれらを少しでも改善すれば,目に見えて数字が良くなるという事です。

 私の事例を正当化するものではないですし,まして私が役に立ったなどというつもりは毛頭ないのですが,今回の件では結局誰も得をしていない,みんな不幸になるケースだったことを思い出して頂きたいなと,そんな風に思いました。

 そして最後に,これまでとても良い印象を持っていたオンキョーのサービスが,一度地に落ちてしまいましたが,今回の無理をきいて下さったことで,規則に縛られるのではなく,個々のケースでユーザーの気持ちを最大限汲もうとする姿勢は健在でした。ありがとうございました。

 

 

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