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プリンタ買い換えの顛末~接触篇

  • 2007/01/29 19:13
  • カテゴリー:散財

 突然ですが,プリンタの買い換えをしました。

 よく考えてみると私は結構昔から「プリンタ」を買う機会が多くあって,これまでにいろんな機種を買ってきました。

 とはいえ,常に最新機種を買いそろえてきたという話では全くなく,その時自分が必要としている機能を持つ機種を安く買うとか,技術的な興味でついついジャンク品を買うとか,そういう話です。

 最初はPC-6001に使えるサーマルプリンタ。画面のハードコピーを取るコマンドが当時のパソコンには不可欠だったのですが,PC-6001だけはプリンタに対するビットイメージの転送の仕組みが全然違っており,当時発売されていた多くのプリンタでハードコピーが取れなかったのです。

 この時,問題を解決する選択肢は3つ。純正のPC-6021,その後継PC-PR401,そして唯一のドットインパクトプリンタである精工舎のGP-80,この3つでのみPC-6001で画面のコピーが印刷出来ました。最高峰はなんと言ってもGP-80。憧れであるドットインパクトプリンタですが,価格も本体と同じとあっては,おいそれと買うことも出来ません。

 画面の印刷,プログラムリストの印刷などに使いたかっただけなので,PC-PR401を購入したわけですが,これが私にとっての記念すべき最初のプリンタになりました。

 その後,マシンがX1turboになった時,24ドットの漢字が印刷できる熱転写プリンタが欲しくて,PC-PR405を購入(これはフォントも綺麗で,当時のワープロに負けない品質だったのでよく使いました)し,プログラムリストの印刷にはランニングコストの安いインパクトプリンタを使ってました。

 このインパクトプリンタがまたくせ者で,精工舎のGP-500という最悪な激安プリンタと,タンディのTRS-80のオプションで用意されたと思われる沖電気のOEMの80桁プリンタの2つです。

 どっちも10インチの連続用紙が使えましたが,GP-500は印刷速度も遅く,印字品質も劣悪,しかもインクリボンがすぐにダメになってしまうので,捨ててしまいました。沖電気の80桁は非常にしっかりしており,長年使い続けていました。

 X1turboは,9ピンのプリンタでも重ね打ちにより16ドットの漢字を印刷出来たり,プリンタのプロファイルを自作すればどんなプリンタでも使用できるという,素晴らしい設計になっていました。だから名もなきOEMプリンタでも,実用上問題ない程度に使いこなせたのです。すごい時代です。

 その後,安いという理由でカラーのPC-PR406(これは横河電機のOEMでした),PC-PR201CL,PC-PR104,TRS-80用のカラープロッタプリンタなどを買いあさり,ちょっとしたプリンタマニアになっていた時期がありました。

 Macintoshを使うようになってからはHPのDeskWriterC,キヤノンのBJ-10v+Mac用接続キットを経て,中古のLZR650というレーザープリンタを購入,故障したのでLaserWriterSelect300に買い換えて,しばらくプリンタから遠ざかっておりました。

 下手なカラーよりも黒くっきりのレーザープリンタが最高だ,という信念はすでにこのころから確固たるものとしており,1995年頃からのカラーインクジェットプリンタの勃興には,全く関心を持たずにいました。

 ところが,エプソンのPM-700Cの登場に,新しい時代の到来を感じました。写真印刷は昇華型プリンタでなければならない,という固定観念を打ち崩す画質に,コンスーマ向けのプリンタはもはやインクジェットプリンタで確定したと,考えを変えざるを得なかったのでした。

 ただ,インクジェットプリンタはインクの滲みと耐候性が問題で,レーザープリンタの優位性は私にとって崩れるものではありません。顔料インクが登場したら買ってみようと思っていたのですが,LaserWriterの調子が悪くなってしまった2003年の初旬,初のコンスーマ向け顔料インクモデルであるPX-V700の登場を待って,買うことにしました。

 この時,PX-V700の写真を印刷したときの綺麗さにびっくりするほどの「浦島太郎ぶり」だった私ですが,顔料インクの持つポテンシャルの高さ故,ここ数年でエプソンは全部顔料インクに置き換わるだろうと,そんな風に思っていたものです。

 結果,PX-V700は品質の悪さや画質の悪さもあって失敗作と呼ばれるようになり,一方で染料インクの弱点である耐候性が克服され,利点である鮮やかさと両立するに至り,今もメインストリームは染料インクになっているのは,ご存じの通りです。

 私のPX-V700はノズルが頻繁に詰まるようになり,その度に時間をかけてクリーニングする面倒臭さもあって,最新機種への買い換えを狙っていましたが,顔料インクの現行機種PX-G930はまだ高い。

 年明け,とうとうノズルが詰まったままになってしまい,度重なるクリーニングでインクが切れてしまったことで,もはや買い換えることを決意しました。ただ,別に急ぐわけでもないので,安いものが出てきたら買おう,くらいに考えていました。

 そんなおり,昨年秋の最新機種であるPM-G850が特価で出ているのを見つけました。1万円後半が標準的な販売価格,安いお店でも16000円くらいであったなか,12980円(送料込み)でした。

 13000円なら,顔料インクでもハイエンドでもなくたって,全然許せますよね。PM-G850のインクは染料インクなのに耐候性も上がっており,もはや顔料インクである理由はないように思えるほどです。

 とりあえず,そのお店で買うことにしました・・・

 というところまでが,とーっても長いですが,前置きです。ここから本題。

 接触篇では,プリンタそのものというより,プリンタを買ったお店についてを,後日掲載予定の発動篇では,プリンタそのもののゴタゴタを綴ろうと思います。


 艦長日誌では,中立性をポリシーとしているため,不用意に個人やお店を特定できるような書き方はしていません。ただ,これまでも,同じ轍を踏まないで欲しいという気持ちがある場合には,あえて特定できるようにしてきました。

 今回のケースは,まさにそれです。あまりにひどい話だと思うので,ここに書いておくことにします。

 PM-G850を買ったお店は,PCサクセス(PC-Successとも)の,インターネット通販です。

 秋葉原にリアル店舗を持ち,kakaku.comでも人気ショップで,多くのユーザーを持つ大規模なお店です。取扱商品はパソコン,周辺機器,家電からPCのパーツに至るまで,およそ電気に関係するものなら何でもあります。

 しかも,価格ははっきりいって安い。ただ安いだけの店は非正規の仕入れルートだったり,開封品を売ったりするお店だったりするのですが,初期不良交換の期間を一般のお店と同じく2週間と定め,しかも別料金で30日まで延長できるというから,これは正規品の販売店と考えて間違いはありません。

 それにしては価格が安いので,ずっと不思議でした。

/*

 というのも,正規品を扱うお店は当然正規のルートで仕入れないダメなわけで,そういうルートの仕入れは販売価格があまりに安いと,仕入れをストップしてしまうのですよ・・・かといって一時しのぎで非正規品を仕入れて安売りしてしまうと,もし初期不良が起きた場合にメーカーや代理店に返品できませんから,交換することが出来ないわけですね。交換する場合には,自腹を切るしかないわけです・・・時々大手の量販店でも特価している商品に,返品不可とか初期不良交換不可とか見る事があるでしょ,あれが「非正規品」なんですね,ええ。

*/

 まあ,特に交換不可とか書いておらず,初期不良交換の期間は2週間と書かれているので,その辺は安心して買うことにしました。

 このお店,実は巷で「悪いお店」と評判になっていて,知ってる人はみんな知ってるお店なんですね。一番の理由は納期を守らない。即納と書いてあっても2週間かかるとか,なかには数ヶ月かかった例も耳にします。手元に現品を持たない通販業者特有の現象なわけですが,在庫の有無が管理されていないお店というのは,他の情報,例えば顧客情報など,も管理がずさんというケースがままあります。

 お店の評判というのは,ちょっとした不手際で悪く広まることも多いので,私は余り気にしていません。むしろ公開されている情報や,実際の体験から優劣を決めるようにしているのですが,ここはこれまでに2回使っていましたし,それなりにわかっているつもりだったのです。

 1回目はUSBメモリ。2006年6月に購入した2GByteのUSBメモリですが,運悪く初期不良にあたってしまいました。その交換や返品の手続きに随分時間がかかり,ここのサポートは悪いなあと感じていました。初期不良の認定にはいろいろ面倒な手順が厳密にあり,もし初期不良でなかった場合には検証費用と送料で何千円も請求されたりする事が書かれています。

 販売店は,こうした不良品や修理品の窓口業務という機能があるから,その付加価値として利益の取り分があるんですよね。そういう正規店の責任を避けるような方針は,やっぱり信用を落としてしまいます。

 それでも,実際やりとりをはじめてみると,担当者からのメール連絡は迅速でしたし,返送にかかった送料なども向こう持ちで客の負担はゼロ。担当者と電話で話をすることも可能で,信用第一のインターネット通販業者としては,十分合格点でした。

 ただ初期不良と認定されてから代品の発送までに「在庫がない」とかで2週間もかかってしまい,アキバの店舗や楽天のショップには在庫があるのに,ユーザーをなめてるよなあと,非常に不信感をもっていました。

 こういうお店はやばいんだよな,と思いつつ,次の買い物は防湿庫でした。

 これは昨年末に購入したのですが,防湿庫というのはどの業者も在庫を持たず,メーカー直送が普通です。高いお店で買っても,安いお店で買っても,商品が送られてくる先は全く同じで,初期不良や修理などのサポートも原則的にメーカーが直接行いますから,いわばどこでも「正規店」です。

 この店は圧倒的に安く,防湿庫のような買い物では,非常にお得だと分かっていました。幸いにして初期不良もなく,現在も故障はしていません。納期も結局メーカー在庫があるかどうかだけの話で,他のお店でも即納であることが分かっていましたから,納期がかかるという事は予想通りありませんでした。

 そして今回,3回目です。

 1月21日
WEBページから注文。PM-G850,12980円送料無料。48時間以内に発送。すぐに注文受付確認メールが届く。銀行振り込みで同日支払い。

 1月22日
入金確認のメールが届く。

 1月24日
佐川急便の不在票が自宅に投函されている。納期は守られた!

 1月26日
再配達で受け取る。
早速動作確認を行うが,インクの初期充填ができないことが判明。初期不良の疑いが強い。
 
すぐWEBからサポートのメールを出そうとするが,購入履歴一覧に出てくるはずのメールフォームのボタンが出てこず,たどり着けない。
2時間格闘してようやくボタンが出てこない場合はこちら,というリンクを見つけ,そこからとりあえず出す。(このリンクは液晶のドット抜け保証のサポートメールのフォーム)

 1月27日
エプソンのサポートに電話。6つあるインクカートリッジのうち,ライトシアンだけ認識していないことがわかっていたのでその旨伝えると,インクだけ交換して原因を切り分けようとなった。
初期不良なので交換が原則ではないかというと,それは販売店のお仕事で,自分たちは製品が正しく動作するようにすることしか出来ないので,交換ではなく修理という対応になる,と誠に筋の通った説明を受ける。
インクは無償で,29日に発送予定,直った場合は不良のインクを返送,直らなかった場合はそのまま使ってください,とのこと。販売店には初期不良と伝えて良く,自分の名前を出してもらって構わないというメーカーとしてはギリギリの対応をしてくれた。
ほぼ同時にPCサクセスから返事が届く。以下のようなもの。

----

お世話になっております。
PC-Successサポートセンター担当:**と申します。

メール拝見致しました。
不具合の件、ご迷惑をおかけいたしまして誠に申し訳ございません。

御問い合わせの件ですが、
当店に送ることも可能ですが、只今メーカー保証期間となりますので
お時間的にも有利になりますので
修理につきましてはメーカーサポートに直接お問合わせいただいたほうが
よろしいかと存じます。

カラリオインフォメーションセンター
050-3155-8011
(カラリオ インクジェットプリンタ)
受付時間:
9:00~20:00(月曜日~金曜日) 10:00~17:00


なお、保証書に押印はされておりませんが
押印の代わりといたしまして保証書シールもしくは納品書をメーカー様に提示して頂ければ、
メーカー保証を受ける事が可能で御座います。

お手元に保証書シールもしくは納品書をお持ち無い場合は
当社ホームページ上に領収書・保証書シール・納品書・請求書の
発行依フォームをご用意させて頂いております。
こちらからご依頼頂けますでしょうか。

発行依頼フォーム
http://www.pc-success.co.jp/guide/q-a/wrt/answer-08.html

また、お急ぎでありましたらFAXにて納品書をお送りする事も可能で御座います。
その際はFAX番号をご連絡頂けますでしょうか。

メーカーより弊社へご返送する様に指示をお受けしたした際
またはメーカーに連絡が取れない際の手順を下記にご案内いたします。

不具合品をご注文番号 明記の上、

〒140-0012 東京都品川区勝島1-4-11 B-108
サクセスサポートセンター

まで保証書同梱でお客様元払いにてお送りください。
保証書は無記名ですが弊社へご返送する場合はそのままで構いません

代理店経由でのメーカー修理対応とさせていただきます

また当店サポート・保証規定
http://www.pc-success.co.jp/guide/support/h-kitei.html
をご覧いただきご理解いただいた上、商品をご返送下さい。

◆なお、このメールを印刷したものを同封のうえ、
サポート宛てにお送りください。
印刷環境が無い場合お手数ですがメモ用紙などに注文番号と不具合内容の記載をお願いします。

お手数をおかけして大変恐縮ではございますが、ご協力を賜りますようお願いいたします。

----

突っ込みどころが満載なわけだが,初期不良ではなく修理対応で,メーカーの方が早いからそっちで頼めと言うのは,明らかに彼らの保証修理規定とは違うことを言っている。
さらに,以前は返送は着払いだったのが元払いになっているし,電話番号の記載もない。
(あげくご協力をお願いしますと,筋違いなことをいってるのもおかしい)
電話で話をしようとしたところ,サポートは昨年に電話対応を廃止し,メールに統合されたと「留守番電話」に案内される。そんな変更があったなど全然知らなかった。(知っていれば頼まなかった)
とりあえずメールで,初期不良なんだから交換が原則だという返信を行った。

1月29日
現時点(19:00)で返事なし。


 とまあ,こんな感じなのです。

 ここで最も重要なことは,

(1)初期不良が起こった場合,交換ではなく修理対応となる。
(2)電話での連絡手段がない。

 という事です。

 PCサクセスの保証規定によると,初期不良があった場合,2週間以内であれば代品との交換,代品の手配が出来ない場合は返金と明記されています。ただし,初期不良交換の扱いを受けるためには,メーカーから初期不良であるというお墨付きをもらう必要があります。

 以前の初期不良のケースでは,メーカーのお墨付きをもらうために,メーカーに返送しないといけなくなったため,PCサクセスの担当者と相談した結果,PCサクセスのサポートセンターに商品を送り,初期不良かどうかを確認してもらうことにしました。

 この時の返送は着払いでokとのことで,数日後には初期不良が確認できたという連絡があって,2週間ほどして代品が送られてきました。

 今回は初期不良交換の対応が明記されているにもかかわらず,この商品については2週間以内でも「修理対応」となること,その場合メーカーにサポートを依頼して欲しいと言っています。

 前述の通り,初期不良の交換が可能なのは,交換した不良品をメーカーなり代理店なりに返品できることが前提となっているため,正規品でなければ返品出来ません。つまり,今回の商品は「非正規品」だったということです。

 非正規品そのものが悪いということではありません。非正規品には盗品や横流し品,逆輸入品,開封品など合法非合法を問わずいろいろな種類があるのですが,少なくとも私の手元に来たものは保証書に捺印のない未開封新品でした。

 ただ,非正規品は正規代理店にとっては非常にやっかいな存在で,自分たちを通ることなしに世に出た商品に対し,お金と時間のかかるサポートをさせられたのではやがて倒産してしまいます。だから,自分たちを通った商品に関してだけ,サポートの責任を負うことになるというのが,この世界の常識です。

 ではメーカーの責任はどうか,ということになるのですが,メーカーはあくまで製品を製造するところまでがお仕事で,サポートについても,目の前にある商品を出荷時と同じ品質にすること,が原則です。交換という手段はメーカーでは普通は取りません。

 メーカーといっても,実際に商品をお店や代理店に卸すところは,多くの場合メーカーの子会社である一次取り次ぎの代理店です。お店や二次以降の代理店は,この一次代理店への返品をすることで,初期不良交換を実現しているわけです。この場合,一次代理店が「泣いている」わけですね。

 初期不良ではなく,お客さんの機嫌を損ねてしまって返品を食らった場合などは,泣く人が変わってきます。お店の責任で返品を受けたらお店が泣きますし,二次以降の代理店が泣く場合もあります。それはケースバイケースで,話し合いで決まります。

 初期不良の場合,一次代理店からのメーカーへの返品は,メーカーが受ける場合と受けない場合があります。特に初期不良品の場合,メーカーが元の通りに「新品再生」を行って,再度流通に流すことも多くあります。(もちろんメーカーが返品を受ける場合もあります。)

 どこが返品を受けるかの違いだけで,結局一緒じゃないか,といういうなかれ。

 ここに,代理店とメーカーで,その権限に大きな差があることを見落としてはいけません。一度でもお客さんの手元に渡ってしまった商品は,中古品となります。中古品を中古品として販売するためにはそれなりの登録や手続きが必要で,普通のお店は出来ません。

 これは代理店についても同じで,一次だろうが二次以降だろうが,一度販売したものを返品されて抱え込んでしまったら,それはもう中古品として扱うしかないのです。

 しかし,メーカーは違います。メーカーだけが,この中古品を新品に蘇らせることが許されているのです。

 単純に保証書への捺印だけで未開封であった場合でも,販売店や代理店が新品として販売が出来ない(未開封品という売り方になる)のに対し,保証書の再発行というメーカーだけの権利を行使して,その未開封品は新品に生まれ変わるのです。

 新品としてメーカーから出荷されれば,あとはそれが再生品かどうかに区別はありません。

 ただ,非正規品についてまで新品再生を行っていたら,今度はメーカーがつぶれてしまいます。だから,自分たちが正規の代理店契約を結んだ代理店からの返品だけを受け付けるわけです。

 これで明確になったように,我々ユーザーからみて区別がつかない「新品」であっても,正規品と非正規品には純然たる差が存在するのです。

 さすがにこれはユーザーにとっても無視できない大きな差ですので,普通は販売するときに,それが正規品ではないことを理解してもらってから販売します。返品できません,初期不良交換は出来ません,というのは,つまり正規ルートの商品ではありません,という「ただし書き」なのです。

 販売店によっては,正規品を一切取り扱わず,非正規な仕入れルートによって商売していることも少なからずあります。世に言う「バッタ屋」というのはこういうお店のことです。

 正規品をどうして扱わないのか,という疑問が次に出てくるでしょうが,言うがやすしで,正規店になるためには,メーカーなり代理店なりの「審査」をパスしなければなりません。その代わり,審査をパスすれば,仕入れの後に代金を支払うことを許されるようになるので,お店の経営がとても楽になるのです。

 バッタ屋さんは審査をパスしていないので,代金が先になります。それも現金でなければなりません。逆に言うと,現金さえあれば非正規品を仕入れて商売出来るわけですね。ただ,いつもそういう非正規品があるわけでもないので,売り切れれば「入荷未定」となりますし,予約も取れません。

 次の疑問はおそらく,そんな非正規品がなぜ頻繁に発生するのか,ということでしょうが,これはいくらでも出てきます。

 例えば正規の代理店が倒産した場合。債権の回収には資産の売却が原則ですので,資産である仕入れ品は,即現金に変えられてしまいます。

 例えば販売店が返品できなかった場合。販売店の責任で受けた返品は代理店やメーカーに返品できない場合も多いですし,売れ残りを返品することも難しいです。代理店が大量の在庫を抱えてしまうことは代理店にとっても困りますし,お店にとっても次の仕入れに応じてもらえなくなるかも知れません。在庫が残ったのは基本的には販売店の責任ですので,この場合もこっそり非正規ルートに流してなかったことにしてしまいます。

 例えば水濡れ品。あまりないことですが,代理店の倉庫が雨漏りしたり,運送中に外箱を壊してしまった場合,直接被害のあった商品だけではなく,その場にあった商品すべてが正規の仕入れに使えなくなることがあります。この場合も非正規ルートに流れていきます。

 一番多いのではないかと思うケースが,現金が欲しいとき。非正規ルートは現金決済が基本です。ある代理店が今月の売り上げがどうしても足りない,あるいは運転資金として現金がどうしても必要,という切羽詰まった場合,買いたたかれるのを分かっていても,非正規ルートに流します。

 こうしたケースで活躍するのが,いわゆる現金問屋です。大量の現金と巨大な倉庫を抱え,こうした訳あり品を現金にものを言わせて格安で買いたたきます。

 そして,これを非正規店に卸すわけですね。

 こんな商品の正規のサポートをしていたらたまらない,という理由,もう分かっていただけたと思います。

 なお,現在私は流通の仕事をしていません。10年ほど前までその業界にいたため少しばかり内情を知っているというだけであり,今はもうこうした仕組みは消えてなくなっているかも知れませんし,変わってしまったところもあるかも知れません。ご了承下さい。

 話を戻すと,今回PCサクセスがプリンタの初期不良を交換で対応できないというのは,こういう事情から,やはり非正規品である可能性が高いです。それをあらかじめ正規品としてのサポートが受けられない商品である,と言わない事に加え,保証規定では初期不良を受けられる(つまり正規品としてのサポートを受けられる)と明記してあることがウソじゃないのかと指摘されても,返す言葉はないでしょう。

 。
 次に電話での連絡が絶たれている点ですね。一応,インターネットの通信販売では,電話なくてもメールなど連絡の付く手段が明示されていれば,違法ではありません。しかし,メーカーや多くの販売店がサポートに電話窓口を必ず用意していることを見れば,消費者は電話でのやりとりを求めているのは明白です。

 PCサクセスの場合,確かにネットでの注文が行える段階で,注文者がメールを使えることは明らかですので,サポートがメールベースであることそのものは悪いことではありません。ただ,急いでいるケースもあるだろうし,それにメールでは相手からの返事がすぐにもらえないため,長期にわたって放置されるケースも出てきます。

 PCサクセスに関して調べてみると,サポートのメールに長い間返事が来ない,結局来なかった,などという事例が発生しているようで,そういう人為的なミス(と思いたい)をバックアップする連絡手段がなければ,消費者は泣き寝入りをするしかなくなってしまいます。

 最初のサポートはメールでも,返事には電話番号を書くとか,とにかく確実な連絡手段が使えるかどうかは,そこが信用できるお店かどうかを判断するとても大事な要素となります。

 今回の場合,2週間以内にPCサクセスに初期不良品が届いていること,が初期不良交換の条件になると規約に書かれているため,メールの返事が遅いことはお客にとって,初期不良を受けられるかどうかの大きな分岐点となります。時間稼ぎをしていると言われても仕方がないです。

 もう1つ言えば,初期不良というのは,お客さんも販売店も代理店も悪くなく,悪いのは品質管理をしくじったメーカーにあります。ただ,現実的にこうした大量生産品の不良品をゼロには出来ないので,そのフォローを販売店や代理店にお願いしているというのが,この世界の仕組みです。

 ですから,通常の修理や返品などと違って,最優先で処理される性格の物です。不良品をつかまされた消費者心理から考えても,購入して一度も使用できない時間が長くなってしまうのは,いわば販売店がお金だけ先に受け取って商品を納入しなかったのと同じですので,メーカー以下販売店まで,誠心誠意最優先で対応するのが正しいのです。

 PCサクセスは,そういう社員教育もなされていないお店であることがわかります。いわゆるバッタ屋さんではこうした教育は必要ないので,バッタ屋しか経験していない販売員と正規店での経験がある販売員との間で,初期不良への考え方の違いや態度の違いが表面化する場合があるのです。

 以前電話で受けることの出来たサポートが廃止されてメールに一本化されたことも,個人的には不信感を持つ理由になっています。そういう体制にしたことを悪く言えないし,またそのことを確かめもしないで「以前のままだろう」と思っていた私の確認不足なのでその点を責任転嫁するのは間違いですが,かつて出来ていたことを取りやめたという,信用第一のネット通販の世界における仕組みの改悪がなされるというのはちょっと考えにくいことで,コストの削減がこうした聖域にまで影を落とすようになったというPCサクセスの現状を如実に示していると考えるべきです。まあつまり,危ない,ということですね。

 蛇足ですが,kakaku.comのショップ評価に,後の人のためにと「初期不良返品が受けられない場合がありますのでご注意」という書き込みを行ったところ,30分もしないうちに削除されたことを付け加えておきます。悔しいので同じ内容をもう一度書いたところ,まだ削除されずにいますが,さていつまで残っているやら。

 そんなわけで,PCサクセスは,確かに安さが魅力のお店です。しかし,書かれていることだけでは分からない上,何かあった場合の解決が難しく,極めて難易度の高いお店であることを理解した上で,利用する必要があります。

 その安さは,そのリスクと引き替えにある,このことを肝に銘じて,なにがあっても驚かない覚悟で,このお店を利用して欲しいと,貴重な経験をした私からお願いです。

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