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タムロンSP15-30mmF2.8が戻ってきた

 タムロンのSP15-30mmF2.8が修理から戻ってきました。

 タムロンは,その必要がなければ事前になにも連絡なく,いきなり返送されてくるんですね。10日間くらいかかるというので呑気に構えていたら,週明け月曜日には発送の連絡,翌日には私の手元に無事に,寒い青森から戻ってきました。

 なにせ何の連絡もなく戻ってきましたから,どんな風に修理されたのかがとても気になります。急いで開梱し,内容物を確認。新品同様に丁寧に梱包されたSP15-30mmを取り出し,修理伝票に目をやります。

 それどれ・・・


(1)テレ端でのAF精度(後ピン)

 これを一番対策して欲しかったのですが,伝票によると「規定範囲内」とのこと。えーーー,後ピンになっている画像も送ったのになあ。タムロンとしては,このくらいのピントのズレは良品という扱いなんですね。


(2)測距点が中央以外でひどいピンボケ

 これは現象を確認し,後ピンであることから生じた問題とし,可能な限りの調整を行ったとのこと。(1)の後ピンは結局ここで調整されたということです。

 お約束ですが,これ以上追い込むならボディも一緒に送って欲しいとありました。


(3)片ボケ

 点検の結果,問題なしでした。これは私も問題なかったと記憶しているので安心です。


(4)絞ったときの明るさのバラツキ

 これも規定範囲内で問題なしとのこと。


 というわけで,(2)によって後ピンの対策を行ってもらいましたので,どのくらい改善されたかを,絞り開放で試してみます。


 まず30mmのテレ端。測距点中央では,ピント微調整をしなくてもほぼジャスピンです。それでもまだ後ピン傾向は残っているので,微調整を-10くらいかけるとまさにぴったり合ってきます。

 次に測距点をずらしていきます。上下方向ではほぼ問題なし。しかし元々ひどかった左右方向ではまだまだ後ピンが残っていて,画像の流れが収まりません。残念ながらこれでは使えません。

 24mmや20mm,15mmでも確認しましたが,もともとそんなにピントのズレが大きくなかったこともあり,かなり良くなっている印象です。30mmでも3mも離れれば全然問題にはなりませんし,1段絞れば大きく改善,2段絞ればさらに改善します。

 せっかくF2.8のレンズですので,全ズーム域,全測距点で安定した性能が欲しかったところではありますが,さすがにそれは高望みという事でしょうか。絞り開放で30mm,そして1mくらいの距離の被写体を,測距点をずらして撮影するときに問題があるという制約を,頭に入れて撮影しないといけません。

 全体としての印象ですが,ピントの調整によって,まるで別の改良品を手にしたような性能の底上げを実感します。これなら使って楽しいレンズになるんじゃないでしょうか。ワクワクします。

 ただ,やっぱり問題なのは,その限られた範囲での制約である,絞り開放,テレ端,測距点は左右の端,という状況で使い物にならないことです。ここは修理に出す前と変わっていません。

 この限定的な条件は特別なものではなく,子供を縦位置で撮影するときに多用する条件です。家の中は狭いですから広角レンズが常用レンズになりますが,明るい広角ズームはこうした用途に実はぴったりです。

 広角ズームと言えば,広い(あるいは高い)部屋,建築物,風景,あるいは星空なんてのが定番の使い方で,どっちかと言えば距離が取れていて,かつそれなりに絞り込む使い方をします。

 こうした用途では調整前のSP15-30mmF2.8でもほぼ問題はなく,おそらく多くのユーザーがこの性能(と価格)で満足しているのだと思います。

 しかし,前述のような使い方を中心にしている私は,まず最初にこの特殊とも言える条件下での問題に気が付き,調整を依頼しました。レンズの使い方なんてのは,本当に人それぞれなんですね。

 今後どうしていこうかはもう少し使って考えますが,トキナーの時のようにAFっびちょうせいが不必要になるほどの完調ではないので,少し試行錯誤がいると思います。

 トキナーと比べることに全く意味はありませんが,どうも焦点距離による焦点移動がAT-X16-28mmF2.8と比べても大きい(というかSP15-30mmの方がズーム域が広いのだからあたりまえではありますが)ので,どこかで妥協が必要になってしまいます。

 なので,AF微調整をどれくらい行うかは今後の課題ですが,30mmのテレ端で右端の測距点で調整すると-20でも後ピンが調整しきれず,しかし-20では中央の測距点ではむしろ前ピンになることが分かったので,測距点によってAF精度が異なることは認めねばならないようです。

 それに,20mmくらいだとAF微調整を必要としないくらいですので,すべてを満足出来ないならば,どこに重点を置くかを決めないと,微調整作業そのものが迷路にはまり込んでしまうような気がします。

 こうして考えてみると,トキナーのAT-X16-28mmF2.8とタムロンのSP15-30mmF2.8を比べてみると,AT-X16-28mmF2.8はズーム域は狭いし,ピーク性能はそれほど高くない,しかし絞ればキレのあるレンズに性格を変え,ズーム全域で性能の変化が少ないのでどこでも安心して使え,画質は好ましくトキナーブルーが美しいという,とても扱いやすく素性の良いレンズだったことがわかります。

 一方のSP15-30mmF2.8は,ズーム域は広く,ピーク性能は純正をもしのぎ,その上手ぶれ補正まで備えた高性能ゆえにそのカバー範囲は広いのですが,その広さ故にズーム全域での性能の変化が大きく,どんな状態でも大丈夫という安心感を持って使うことが出来ません。要するにじゃじゃ馬,ということですね。

 これをどう考えるかは難しいですが,自動車でも凡庸な大衆車よりもスポーツカーの方が派手でウケがいい(しかしスポーツカーは売れない留意すべきなんですが)し,評価も高くなりがちな一方で,実際に使い始めてみると生活の一部になってくれるのは凡庸な大衆車だったりするわけです。

 私にはトキナーの方が合っていたように思いますが,もうそれは言いっこなしです。SP15-30mmを少し使い込んでいこうと思います。

 でもあれですね,届いたときのピントのズレを見てテンションが大きく下がり,もう使う気も失せてしまうのに,今回戻ってきてぴしっとピントが出ているのをみるとテンションがぱぱーっと上がり,撮影が楽しくなるんですね。レンズの重さも1割ほど軽くなったように錯覚します。

なにより,安心して使えるこの感覚は,いつ味わってもいいものです。
もうちょっと調子をみて,外に持ち出してみたいと思います。たのしみです。

 そうそう,振り返ると,お金の無駄遣いは結構大きなものがありました。総括すると,トキナーはキャッシュバック込みで61000円で入手,これを30000円で売却していますので31000円の損,そしてタムロンを77000円で入手しているので,結局ここまでに108000円も使っています。SP15-30mmの初期の価格ですね,これは。

 これを補填するために,AF-S18-35mmを売却して38000円を得ていますので,短期的な持ち出しは70000円となり,まあそんなもんかと思えるわけですが,そのAF-S18-35mmだって8万円近くで買っているので,トータルで見ると大損しています。

 いかん,ちょっと節制しなければ。


 最後に,昨年11月から続いた広角ズーム導入作戦では,トキナーとタムロンのどちらのメーカーにも,本当に大変良くして頂きました。私が期待する以上に,時間と手間とお金をかけて,たった1本のレンズを皿に良くしようと頑張って下さいました。直接お話をした担当の方はもちろん,私のレンズを扱ったすべての方々に感謝致します。

 調整を追い込むと設計者が与えた性能にどんどん近づいていくわけですが,それはつまり調子が良くなると言うよりも,それぞれのレンズの個性が強く出てくるようになるということであり,これは高性能なズームレンズのように,性能の均一化が難しいレンズであるほど顕著にでるんだなと知りました。

 いやはや,カメラとレンズの世界というのは,実に奥が深いです。


 

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