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シュアのフォノカートリッジ生産終了を受けてアナログ祭り~その4

 V15typeVxMRの修理に際して久々に「カートリッジ大全」を開いて見ました。これがめっぽう面白いので,ついつい関係ないところも読んでしまいます。

 ここに,モノラルカートリッジの話が出ていました。そういえば,オーディオテクニカのAT-MONO3だけは値上がりせずに昔の値段のままだなあと思って読んでいると,そのメリットや存在理由が書かれています。

 これまでモノラルカートリッジなどに興味もなく,欲しいなどと思った事はなかったのですが,それはメリットを理解していなかったからで,縦方向の動きに対して電圧を発生しないというのは非常に大きなメリットを生むと分かりました。

 現在のLPレコードのステレオ方式である45-45方式は,モノラルとの互換性を高く持つ事で知られていますが,モノラルのレコードをステレオで再生してもちゃんと音が出ることがその特徴です。

 私もそう考えて,モノラルカートリッジなど欲しいと思わなかったのですが,冷静に思い出してみると,本来モノラルのはずなのに,妙にステレオっぽく聞こえたものです。これは,アンプのモノラル/ステレオスイッチを切り替えてみればはっきりわかるもので,この2つはモノラルレコードでも明らかな違いを持っていました。

 何でかなと考えてみると,音は確かに左右で同じであっても,ノイズは左右別々に出るので,これが左右を完全に一致させない理由になっているのですね。それゆえに我々の頭は,これを左右が異なる音としてステレオと認識するのでしょう。

 そうなると,せっかくのモノラルが不完全なステレオになってしまうわけで,これはとても残念です。やはりモノラルなら,ノイズもモノラルでないと。

 それを実現するのが,モノラルカートリッジです。

 調べてみると,デノンのDL102,オーディオテクニカのAT-MONO3,AT33MONOが手に入りやすいようです。価格はAT-MONO3だけ1万円ちょっと,それ以外は3万円くらいです。

 はっきりいって,どんなMCカートリッジでも実売1万円はこのご時世赤字なはずで,いつ値上がりするか分かりません。ということであわててAT-MONO3/LPを買いました。

 音を出してみたいのですが,そもそもうちにモノラルのLPなんぞあるんかいなと探してみると,1993年に復刻したビートルズ・フォー・セールのモノ版が出てきました。なんかいろいろ持ってるんですねえ,私は。

 これを早速聞いて見たところ,新たな感動がありました。ノイズもモノラルというのは,なんと聞きやすいものか。音に集中出来るというか,自然に耳に入ってくるというか,いかに左右でノイズが違うという状況が不自然であるかがよくわかります。

 でないとモノラルカートリッジなどとっくの昔に廃番になっているはずで,それが複数の選択肢から選べるというのですから,やっぱりマニアに支持されてるんですね。

 世の中には,オーディオマニアの行き着く先の1つに,モノラルというのがあるそうで,でっかいタンノイをわざわざ1本だけ買ってドンと真ん中に置いて音を浴びたりするんだそうです。まあ,考えてみるとSP盤マニアも蓄音機マニアも,自動的にモノラルマニアですわね。

 極端なマニアは別にしても,制作者が想定した再生装置で音を出すのが一番制作者が聞いて欲しい音なわけで,制作者の意図を理解するには,それが一番の近道でしょう。

 時代的な話が理由だとしても,モノラルを想定しているならモノラルで聞くのがよいだろうと思います。その点で,モノラルカートリッジを手に入れたことはささやかながら,その第一歩であったと思います。

 実のところ,我が家にはビートルズのLPのセットがありまして,ちゃんとモノラルなんですね。もったいなくてほとんど聞いていませんが,やはり今度聞くときはAT-MONO3で聞こうと思います。

 さて,これでアナログ祭りも最終回,と思ったのですが,ふとしたことからあるカートリッジに興味を持ち,そんなに高いものでもないのでこれも何かの縁と購入しました。

 そういえば私はカートリッジとオーディオに目覚めるきっかけをくれたシュア,自分で初めて1万円を越えるカートリッジを購入したオルトフォン,低価格カートリッジを大事にする姿勢に共感した現代的な優等生オーディオテクニカ,そしてNHK-FMを聞いて育った人には必ず必要なデノンのDL-103以外を買おうと思ったことが一度もありません。

 手作りの高級MCカートリッジは置いておくとして,ないないといわれつつMMカートリッジのメーカーはそれなりに存在しており,なのに私はそれらをほとんど知りません。でも,今生き残っているMMカートリッジですから,なにかしら個性があるに違いありません。

 そんな中,どうしても試したいものが出てきました。次回はそのお話です。


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