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ガンダムマーカーエアブラシシステムを使ってみる

 

 塗装というのは,モノづくりをすれば必ずぶつかる壁で,プラモデルなどの模型工作はもちろん,電子工作でも家電の修理でも,果ては庭いじりや自動車やバイクでも必要になる作業です。

 そして,腕,道具,材料といったプロとアマの差がこれほど出るものもないと思います。

 この差が埋まるとすれば,道具と材料の改良によるところが大きく,特に塗装がネックとなっていたプラモデルの市場拡大を狙って,この20年で大きくその敷居が下がったように思います。

 そもそも論として,塗装なしで完成するプラモデルもすごいわけですが,誰が作っても同じになるという,モノづくりの一番面白い部分を味わえないことに気付いた人達が,塗装に挑む時,その敷居の高さに唖然とすることが多いわけです。

 で,個人的には,大きなものを塗装するときと小さなものを塗装するときでは,道具も塗料も,そして求められる腕前も全然違うなあと思うのですが,プラモデルくらいなら筆塗りとハンドピースによる吹きつけの2つが出来れば,ほとんどの場合間に合うと思います。

 それぞれ,うまくやるには訓練も必要ですし,道具や塗料も全く同じではないので手間もお金もそれなりにかかりますが,これだけ出来ればつぶしも利くし,私としては電子工作や家電の修理でもマスターすべきものだと思っています。

 最近は価格も下がり,入手も簡単になったことで,手軽に挑戦することも出来るようになりました。いい時代になりました。

 私は15年ほど前に鉄道模型のレストアのために,エアブラシを導入しました。タミヤのREVOとクレオスのハンドピースで約2万円だったと当時の艦長日誌に書いてありましたが,この組み合わせでこれまでいろいろな模型を作ってきました。

 一気に自分に出来る事が拡大して楽しくて仕方がなく,そのせいで後片付けも全然苦にならなかったのですが,それも時間がたくさんあったときの話。

 現在のように10分単位でしか時間を確保出来ない状況では,片付けの時間が確保出来ないという理由で作業を始めることすら出来ません。

 片付けが楽で,その上有機溶剤のきつい臭いがしないエアブラシがないものかと思っていた所,なんとぴったりのものを見つけました。

 「ガンダムマーカー エアブラシシステム」です。

 何のことはない,水性のペイントマーカーの先端にノズルで絞った空気を吹き付けて,塗料を吹き付けるというものなのですが,子供の頃にやった,絵の具を含んだ筆に息を吹き付けて飛ばすというアレを,まさか製品にするとは思いませんでした。

 それも,塗料は従来から売られているペイントマーカーです。最適な濃度に調整した専用塗料ならいざ知らず,既に製造されている塗料をそのまま流用して,あの微妙なエアブラシが出来るなんて,ほんまかいなと思ったのです。

 価格は3600円ほど。これはハンドピースが,空気を絞るノズルとバルブ,ペイントマーカーを固定するハンドルだけで構成されているからで,複雑な機構もなければ,精密加工の必要もなく,ほとんどプラスチックで作る事が出来るからでしょう。

 圧縮空気はガスボンベに入ったもので供給しますから,安価で手軽です。

 肝心要のペイントマーカーは,クレオスがバンダイと一緒に作ったガンプラ用の「ガンダムマーカー」ですが,これがまた良く出来ていて,臭いはほとんどなく,乾きも早い上に下地を隠す力に優れています。使いやすくて安いので,これが私の子供の頃にあればなあと思ったりします。

 このエアブラシシステム,大人気で,春頃に発売になったときには即品切れで,なかなか通常販売が行われませんでした。私も8月頃にようやく手に入れたのですが,昨日ようやく出番がやってきました。

 私のビンテージポケコンのコレクションに,キヤノンのX-07があるのですが,こいつのLCDドライバICの劣化が進んでいて,ドライブ出来ないラインが出てきていました。

 いろいろ原因を調べましたが,電源電圧を上げれば消えたラインが濃くなることから,ICの劣化を原因と断定していました。汎用品のドライバではないので交換も出来ず,電圧を10%以上上げることでその場しのぎをしていたのですが,このままでは他のICにもストレスをかけると,ICの交換を計画し,ドナーとして故障したX-07を手に入れてありました。

 時間がなく半年以上放置していたのですが,ドナーのX-07は故障しているとは言え,LCDの劣化以外はちゃんと動作しており,電池の液漏れで基板が破損していた私のX-07よりも程度は良さそうなくらいです。

 当初はドライバICの交換だけ考えていたのですが,これだけ程度が良いなら,LCDの基板ごと交換してしまえと,まずはLCDの修理から手を付けたのです。

 この時代のLCDは,偏光フィルムや反射フィルムが劣化し,酸っぱい臭いを放ち,ひび割れてしまうことがあります。これ,映画や写真のフィルムでは有名な「ビネガーシンドローム」というもので,フィルムの材料であるセルローストリアセテートが化学変化を起こしてしまうこと起こります。

 ひび割れてしまいますから,もはやLCDとして機能しなくなってしまうため,交換以外に修理出来ないのですが,もともとLCDには汎用品は少なく,結局LCDを分解し,劣化したフィルムを入れ替える事でしか対策できません。

 ドナーのX-07もそうで,独特の酸っぱい臭いとひび割れが背面の偏光フィルムに発生していました。偏光フィルムはガラスと反射フィルムをその両面で接着しているのですが,真ん中に挟まったこの偏光フィルムが劣化したせいで,反射フィルムもボロボロになっていました。

 いろいろ試行錯誤を行ったのですがどれもうまく行かず,手持ちの接着剤付きの偏光フィルムをガラスに張り付け,裏側の面をシルバーで塗装することを考えました。

 スプレーがあれば簡単でしょうし,エアブラシならもっと確実でしょうが,有機溶剤というのも不安があり,できれば水性がいいなあと思っていたところ,ガンダムマーカーエアブラシシステムを思い出したというわけです。

 思い立ったら吉日,早速試したのですが,結論から言うと,あまりうまくいきません。

 やはり,ガスボンベではすぐに圧力が下がってしまい,わずが30mm x 100mm程の面でも,きちんと塗りきれないのです。

 繰り返しているうちに大きな粒が飛び散ったりしてやり直しがあったりと,これなら片付けの時間を入れてもエアブラシを使った方が良かったかもしれません。

 ただ,ガンダムマーカーの性能の高さは実感できていて,作業性の良さと仕上がりの良さは,想像以上でした。

 1つに,ガスボンベではなくコンプレッサーを使わなかったことが失敗の理由でしょう。その場合,私のコンプレッサーであるREVOで,ガンダムマーカーを吹き飛ばすくらいの空気圧が用意出来るかが問題ですが,やってみる価値はありそうです。

 これだけ性能のいい水性塗料なんですから,きっとスプレーもあるだろうと探してみたところ,メタリックは売っていませんでした。きっと難しいのでしょうね。

 ということで,ほとんど臭いのしない水性の扱いやすいメタリックを吹き付けるには,ガンダムマーカーエアブラシシステムを使うしかないということになりました。

 それにしても,片付けをしなくっていというのは,なんと楽ちんなことでしょう。手が汚れることもなく,有機溶剤で頭がクラクラすることもなく,周りも汚さず,拭き取ったティッシュはそのままゴミ箱に入れておけるなんて,寝る前にちょっと塗装,なんてことが出来る程手軽です。

 使いこなすとかなり大きな武器になりそうです。

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