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F2の分解清掃(ボディ編)

 先日手に入れたニコンF2フォトミックですが,今度はボディのオーバーホールを行いました。

 ボディは特に大きな問題はなく,1/2000秒がやや遅いかなと思うことと,シャッターを切ったあとに「ビーン」という感じの響きが出ていて,あえて分解しなくてもいいんじゃないかと思うようなコンディションでした。

 しかし,50年近く経過している本体ですし,一応分解して中身を確認し,注油くらいはやりたいと考えて,分解することにしました。

 が,いきなり難題です。

 巻き上げレバーの飾りネジが,びくともしません。

 通常,ここはゴムで回して外すのですが,もう全く動かないのです。少し木槌で叩くとよいというので叩いてみましたが,全くダメ。これだけで2時間かけましたが,全く成果が出ません。

 ここで引き返せという神様の指示なのかも知れないなあと思いつつ,最後の手段です。飾りネジの頭にエポキシ接着剤で,ピンセットを接着します。別にピンセットでなくても構わなくて,エポキシ接着剤によくくっつく金属の棒として,目に入ったのがピンセットでした。

 こんな方法,思いつきもしないのですが,やはり幾多の先人達がここで足踏みを強いられたらしく,無理にプライヤーで挟んで傷だらけにしたという苦悶の歴史を私も学び,接着剤という方法にたどり着いたのでした。

 結果は成功。なんと,飾りネジはゴム系の接着剤で固定されていたのでした。ということは,アルコールで柔らかくすれば簡単に外れたかも知れません。

 まあ,結果オーライです。

 F2はトップカバーが左右に分かれていて,別々に外せます。しかも前板やミラーボックスを外すのにトップカバーを外す必要はありません。

 特に,パトローネ側のカバーは,アルミで出来た薄い化粧板を剥がさないとビスが出てこず,この化粧板を無傷で剥がすのは至難の業であると,先人達は語っています。よって必要がなければ外さないのが良いそうです。

 私も先人達の教えに学び,パトローネ側のカバーを外すことはやめました。

 巻き上げレバーを外し,シャッタースピードダイアルも外し,シャッターボタンのリングも外します。スムーズです。

 そして張り皮を剥がしてセルフタイマーを外し,前板を外します。ミラーボックスと分離し,動作の確認と注油と清掃をします。

 ビーンという金属音は,よく言われるようにミラーのダンパーのスプリングが響いている音で,本来はこれを抑えるためにモルトプレーンを張り付けてあります。このモルトプレーンが劣化していると,バネが響き放題になるというわけです。

 ミール-ボックスの劣化したモルトをはりなおすと,バネの響きががうまく押さえられて,精緻な感じになりました。

 他にも注油やグリスアップを行って,軽くミラーが動くようになったところで,前板と組み付けます。

 次にボトムカバーを外し,同じく注油とグリスアップです。あんまりベタベタやると,油が飛び散ってシャッター幕を汚しますので,ほんの少しだけにします。

 そしてスローガバナーを外します。ここも別に悪くなってはいないのですが,ベンジンにどぶ漬けして注油することくらい手間もかからないので,さっとやっておきます。

 あ,電池ケースがご多分に漏れず割れています。F2の持病の1つに電池ケースの割れがあります。そのせいで露出計が動かなくなっている個体も多いのですが,交換出来るような部品もないので,別の部分に金具を取り付けることで解決する方法が,やはり先人達の知恵として広く知られています。

 で,私の場合ですが,ここは1つ,割れた部分の溶着を試してみることにしました。アクリル用の接着剤を使って溶着してみますと,なかなかうまくいっています。他の部分が割れてしまえばもうおしまいなので,金具を別の場所に付け直すのが一番いいとも思ったのですが,これで様子を見ます。

 さて,ここまで組んでみて,いよいよ前板を戻します。

 そっと取り付けてビスをしめ,同じくベンジンで洗浄したセルフタイマーを取り付けて完成です。シャッターも綺麗に切れるので油断していましたが,実は組み上げたあとにセルフタイマーでシャッターが切れないという問題が発覚し,組み立てミスをやっていることに気が付きました。

 この問題を先に書くと,結構深刻な問題でして,前板のシャッター駆動のレバーが無理な組み込みのせいで曲がってしまっていて,セルフタイマーがシャッターレバーを動かせなかったようでした。メカは難しいです。

 次にボトムカバーです。これはまあ簡単ではめ込むだけですから,問題はありません。

 続けてトップカバーですが,これもよくある持病で,フィルムカウンターの窓の透明プラスチックが割れています。交換しようにも同じ物は手に入りませんし,接着しても割れ筋は消えません。

 窓にはめ込むようにプラスチックが成型されているのですが,そんな細かい加工は出来ませんので,0.3mmの透明プラ板を小さく切って張り付けてすませます。以外に違和感もなく,綺麗に仕上がりました。

 こうして出来たトップカバーを取り付けて,レバーなども組み付けて一応完成です。ここまで5時間ほどかかっています。素人丸出しです。

 一通りシャッター速度も確認し,完成したと喜んで張り皮まで張り付けたのですが,前述のようにセルフタイマーが動きません。

 また前板を外す羽目になりましたが,再度組み立てても今度は治らないばかりか,シャッターボタンも利かなくなったりします。これはまずい。こんな信頼性の低い状態では使えません。

 冷静に部品の動作を確認していくと,前述のように前板に付いているミラーを動かし,シャッターの係止を外すレバーが曲がっていることが判明しました。少しずつゆっくりと元に戻して,なんとか動くようにできました。

 そして,シャッタースピードダイアルの近くにあるシャッタースピードの調整ネジを調整して,1/2000秒もきちんと出るようにしました。これでボディは大丈夫でしょう。

 最後に張り皮を貼り,モルトプレーンを交換して,完成です。

 フィルムを通さないとなんとも言えませんが,ダミーのフィルムはちゃんと通っていますし,動きも見た感じでは問題を感じません。シャッタースピードには不安もありますが,これは後日ちゃんと測定システムを作ってから,確認をしたいと思います。(今はアナログオシロスコープによる簡易検査です)

 で,念願のフォトミックファインダーとの合体です。

 しかし,ここでまた問題発生です。

 フォロミックファインダーのメーターが,動かない時があります。バッテリチェックボタンを押しても反応がなかったことで気が付いたのですが,よく調べてみると,30度ほど上に向けると動かない,この時露出計としても動作しない,止まっている状態でボタンを押し直すと動く,止まっている状態でシャッタースピードや絞りを変えると動く,などと,どうも気まぐれな様子です。しかし再現性はほぼ100%です。

 電気的な問題だろうとふんで,フォロミックファインダーを再度分解しますが,おかしな所は見当たりません。ガタが多い部分を組み直しますが,それでも解決しません。

 なら,通電不良だろうとバネ圧を強めたり清掃をしますが,変化無し。

 そのうち,シャッタースピードインジケータの紐は外れるわ,ネジはピンセットから外れて飛んでいくわ,マイナスネジはなめてしまうわで,かなり大幅な分解をしなくてはいけなくなってしまいました。

 もう20回ほども分解と組み立てを繰り返したでしょうか・・・

 それでも原因はわかりません。

 続きは次回。

 

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